これまでにない「新たなカタチ」を表現してみたかった〜「ちいさな一歩フィールドワーク」に込めた想い〜

2023年6月、コロナ禍もあけて海外渡航もオープンになり始めた時期に、2024年2月にネパールを舞台としたフィールドワークを開催することを決めました。
Colorbathとしては、2018年ぶりの海外フィールドワークの開催。コロナ禍によって世界へ飛び出すことが狭き門となっていたけれど…ようやく約3年ぶりに企画できることにワクワクとドキドキな自分がそこにはいました。

(執筆:Colorbathスタッフ 椎木)

■これまでのフィールドワークのカタチ

これまでに、Colorbathでは3回のフィールドワークを行ってきました。
2016年〜2018年にかけては、大学と連携した渡航プログラムを実施。京都外国語大学とはキャリアセンターによる単位修得型としてのネパールFWを実施。滞在期間約1週間の中で、現地の課題とその解決策を考え、アクションを起こしてみるというもの。いわゆる、「社会課題解決型のフィールドワーク」。

2018年にはJICA九州さんに後援していただき、社会人も学生さんも参加可能なマラウイFWを実施。これは一般向けに行った初めてのカタチで、現地滞在は約10日間、長期休暇を活用して、全国各地から社会人と学生さん、あわせて4名の方が参加してくれました。マラウイという未知なる国で、アフリカ初上陸な4名の方と共に、「アフリカ=貧困」というふわっとしたイメージが、「物質的な豊かさはないけれど、温かい心をもつ人のいる国、マラウイ」という表現に変化し、「現地のリアルな生活や人との繋がりを体感できるフィールドワーク」になりました。

マラウイフィールドワークでの一枚。

■「未知な場所」が教えてくれる、「ありのままの自分」

コロナ禍によって行動制限が世界中で余儀なくされた結果、私たちにとっての「当たり前」は大きく変化しました。「幸せ」よりも「漠然とした不安」がつきまとい、「〜しなければならない」「〜であるべきだ」というマインドが社会的にも強くなり、セカイ(=視野)がより狭くなっていく窮屈さを、日本で感じていたという方は増えたのではないでしょうか。

ネパールやマラウイで様々な活動をする中で、私自身が現地で感じたこと。それは、「未知な場所」「知らない環境」であるほど…人は本来の自分の姿に気づき、体現できる、ということです。さらに、そこに「ちょっぴりな勇気」と「少し背伸びするミッション」がスパイスとしてあると、現地での滞在がより格別なものとなり、その後の人生観や価値観がより豊かなものへとなっていく。これまでのFWの帯同においても、参加者のみなさんが伸び伸びと変化していく姿をたくさんみてきました。

だからこそ、今回のフィールドワークから、「ちいさな一歩フィールドワーク」という名前に変更しようと決めました。単なる「社会課題解決」や「現地のリアル体験」ではなく、これからの人生や未来に希望を見出すことができる、そんな後押しをしていきたいという想いから、新たなカタチとしてのリリースを決意しました。

■ついに動き出す、新たなカタチ

2023年9月、Colorbathの中でもFWチームが結成され、どんなプログラムにするか、どういうコンセプトにするかの話し合いが進んでいきました。プログラム名にあわせたビジュアルを専属デザイナーの方と意見交換しつつ作成し、広報担当が多くの人の目に留まるようにと様々な媒体で広報してくれました。私もマラウイへと向かう飛行機の中で、HPにアップするプログラム内容を文章を「う〜〜〜ん…」と頭を捻りながら、PCとにらめっこしつつ書いたことを今でも覚えています。笑

それぐらい、新たなカタチを生み出すには、「実現させたい!」という強い想いとエネルギーが必要だということ。そして、自分ひとりでやるのではなく、それぞれの強みを活かしあいながら、多くの人の力を借りて実現させることの大切さを実感した日々でした。なんだか高校時代の文化祭前の準備期間、を思い起こさせるような日々だったなと今では思います。ワクワクと不安が入り混じりあいながら、期限は迫ってくる…みたいな、まさしく青春な激動の日々でした。笑

2023年10月、無事にプログラムが公開され、当初想定していなかったような大きな反響をいただきました。参加を検討してくださった方とも個別にお話させてもらうなかで、「ちいさな一歩」のカタチは人それぞれであること。どの方も、「ちょっぴりな勇気」をもって問い合わせしてくださっているんだと知ることができて、なんだかとても嬉しかったです。

■ 人と人との繋がりから始まる、「ちいさな一歩」

結果的に、今回のFWには10名の方が参加してくれました。その内9割が女性で、6割は学生さんでした。年齢がバラバラなことはもちろん、親子でのご参加や、海外の方もいたりと年齢やバックグラウンドもさまざまでした。

参加者が確定してからは、渡航までの約2ヶ月の間に、3回の繋がりワークショップ(オンライン交流会)を開催。参加者同士が互いを知り合うだけでなく、ネパールの現地からもメンバーに参加してもらい、渡航前からネパールとの繋がりも深めてもらいました。

「参加者」や「ネパール」という表現から、「〇〇が好きな〜さん」「〇〇が魅力的な場所」というように、一緒に活動する人やその地域の具体をすり合わせていくことで、自然と「不安」が「楽しみ」へと変わっていきます。だれもが始めてなことや、「ちょっぴりな勇気」が必要なことには不安を抱きがちだからこそ…互いに開示しあう場を設けることによって、少しずつその緊張感が和らぐ、そんなコミュニケーションがとれることは、Colorbathならではの特徴かもしれません。

■新たなカタチに挑戦したら、次なるカタチがみえてきた

いろんな人の「ちいさな一歩」によって、2024年2月10日〜2月17日にFWは無事に終了。
私は今回、日本からのサポートとしてこのプログラムに関わりましたが、現地から送られてくる写真や動画、帰国後に開催したオンライン会での対話によって、みなさん一人ひとりが「ありのままの自分」を素直に感じとりながら、周りのメンバーにも共有しあう時間と空間であったことが手に取るようにつたわってきました。みんなの表情がキラキラと輝いている姿に、私もまたエネルギーをもらうことができました。

帰国された参加者の方の中には、今回の旅の出来事を「手にとれるカタチ」として残しておきたいと、「写真集やメモリーブック」を作成し始めたり、現地でホームステイした農家さんが育てているネパールコーヒーを販売するマルシェのイベントにお手伝いとして参加してくださったり、個人のSNSでネパールでの日々を記録したり、周りの人に共有してくださったりと…自分の想いを次なる「カタチ」へと体現してくれています。

マルシェの様子

私自身にとっても新たな挑戦であった今回の「ちいさな一歩フィールドワーク」。海外へ赴くことはあくまできっかけであり、帰国後の日常生活の中において、こうして「ちいさな一歩」の連鎖が紡ぎ出されている様子をみて、「人生=ちいさな一歩フィールドワーク」だな〜と感じるようになりました。

多くのみなさんとのあたたかな繋がりと出逢いに感謝です。本当にありがとうございました。
これからも私たちの創造は、まだまだ続きます。。。

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▼ネパールフィールドワーク2024の様子については、こちらをチェック!