11月11日、周南公立大とネパールの日本語学習者との交流セッションが行われました。
学生さんたちにとっては、「伝わる」「伝わらない」のリアルに触れながらも、多くの伸びしろを発見する機会にもなっていたようです。
大学のゼミ活動とWeb交流
周南公立大学の地域ゼミでは、周南地域の課題を取り上げ、その解決を目的とした課題解決型実習(PBL)が取り入れられています。
その主な取り組みは、日本に住んでいる外国人の方々にむけた「外国人のための生活ハンドブック」をやさしい日本語版として編集することです。
公立大の学生自身は、日本語学習者と直接交流した経験はあまりありません。
そのため、今回のオンライン交流は、日本語のどういったことが難しく、どんな言葉遣いや単語、問いかけに配慮すれば、よりやさしい日本語になるかを模索する機会にもなっているようです。
一方、ネパールの学生も、実際に日本人と話をする機会はなく、普段はネパール人の先生から日本語の授業をうけています。そのため、日本人がつかうネイティブな言い回しや、教科書にのっていない口語はとても新鮮。互いにとって有益な学びになっていることが感じられました。
「伝える」工夫の奥にあるもの
今回設定したテーマは「旅行」。
ブレイクアウトルームを使って少人数で分かれた後、公立大の学生がおすすめの観光スポットを紹介します。
印象的だったのは、「にほんに くる よていは ありますか?」という問いかけに対して、ネパール側がなかなか答えられなかった場面。
再度同じ言葉を繰り返すも、なかなか伝わりません。
「よてい」という言葉がわからないのではと思ったColorbathスタッフが「にほんに いつ きますか」とサポートすると、「4がつ です」という答えが。
日本人にとっては馴染みのある単語でも、日本語学習者からするとその単語の意味が難しく、理解できないというケースにふれていました。
「ゆっくり繰り返し言う」だけではなく、「より簡単な言葉に言い換える」工夫。
テクニックだけではなく、相手が何につまずき、何がわからないのかを気にかけるという相手への配慮が必要なのだと感じました。
今回のやりとりは「日本語」に着目したものでしたが、言語はあくまでも一つの手段。「コミュニケーションスキル」という面で振り返ると、ボディランゲージを取り入れたり、笑顔とはきはきした声で相手を安心させたり、名前を呼びかけて距離を縮めたり…できることはたくさんあるんだなと感じました。
交流は今後も続いていきます。
公立大の学生さんにとっても、自分の伸びしろに気づき、楽しみながら参加できるそんな時間にしていきたいなとおもいます。