つむぐ、Colorbath #07 Colorbathのこれから -CCO椎木のまなざし

こんにちは、ライターの十文字 樹(じゅうもんじ たつき)です。

「Colorbathっていったい何をしている団体なのか?」
「何のために活動しているのか?」

そんな、私自身の疑問から始まったインタビュー企画「つむぐ、Colorbath」。

前回のインタビューで、椎木さんがどのようにして国際協力に道を進めてきたのかを知ることができました。

今回は、そんな椎木さんがどのようなことを考えてColorbathの運営をし、今後はどんな方向に進めようと考えているのか聞いていきたいと思います。

「CCO」という立場

CCOとは?

椎木さんはColorbathにおいてCCO(Chief Communication Officer)という役割を担っています。このCCOとはどんな役割なのでしょうか?

椎木:

Colorbathでの私の役割について吉川さんと相談し、それまで私が人と深く関係性をつくりながら活動してきたという背景を活かすことにしました。

Colorbathと関わってくださる人の「引き出し役」と言えるかもしれません。引き出し役としては、その人の活動の根源にある想いを、問いかけて気づいてもらうことを考えています。

プロジェクトとしても、参加者と企画者の壁をつくらず、みんなが対等な立場でコミュニケーションをとることを意識しています。

CCOとして場づくりに取り組む椎木さん

椎木さんにはColorbathのCCOとして、Colorbathに関わる人が自分の想いに根ざして活動できるよう陰ながらコミュニケーションをとる役割があるようです。

たしかに、自分の根源にある感情は他者から問われて初めて気づくことがあると思います。。

そんなとき、椎木さんがコミュニケーションをとりにいき、その人自身の想いを見つめ直すことで、お互いに気持ちよく活動できるようになることがあるそうです。

CCOとしての理想は?

では椎木さんはCCOとして、どんな未来を描いているのでしょう?

椎木:

メンバーが自然体で働ける場をつくっていきたいです。

私自身、自然体で働けるようになるのに時間がかかってしまいました。

でもそうなれたのは、私のことを見守ってくれる人がいて、受け止めてくれる人がいることに気づいたからこそなんです。Colorbathの場合は、最初は吉川さんでした。

自然体になれるように、安心感を与えられる人になりたいです。

自然体で活動できる場づくりを

椎木さんがみるColorbathの特徴

・Colorbathの長所と短所

メンバーや団体を俯瞰してみることが役割の椎木さん。全体を見通すことで、Colorbathのことをどのようにとらえているのでしょうか?

椎木:

Colorbathは「コトづくり」「ヒトづくり」があるように、活動の幅が広いことが特徴です。

ひとつの問題の解決を目的とした団体ではないからです。その欠点として、「やらない決断」がなかなかできない時期もありました。どのプロジェクトにも人の想いがあるので、なかなか難しい問題です。

また、何の団体か理解されにくいことも欠点です。しかし、人のつながりや想いを大事にしていることから、自然と人が集まってくるという特徴にもつながります。

そしてColorbathと関わったことをきっかけに、メンバーが自分の可能性に気づくことがあるのもColorbathの特徴ですね。

Colorbathのコンセプト

たしかにこのインタビューをはじめる前は、私もColorbathがどんな団体なのかわかりませんでした。

ただ同時に魅力も感じていました。活動の幅が広いからこそ、他にはない何か特別なことができるのではないかと思ったからです。

例えば、ひとりの学校の先生が世界と繋がることを目指してColorbathに関わり、ネパールの生徒が日本に来て、生徒同士で文化交流するプロジェクトを実施することができたという例があります。

このように、想いを持った人が集まるプラットフォームとしてColorbathがあるのかもしれません。

多様な解釈を受け入れる

Colorbathがどんな団体かわかりにくいことが欠点ではある一方で、関わる人たちに向けてはColorbath側からの定義づけを押し付けたくないと椎木さんは語ります。

椎木:

プロジェクトの意義をこちらから伝えることはありますが、「この通りにしてください」と押し付けたくはありません。

かつて一つの区を対象に、5つの学校でWEB交流(現:DOTS)を実施しました。

その時、学校によってWEB交流に求めるものや考え方が違っていました。それは、先生方が一生懸命に考えた結果のWEB交流の認識なので大切にしようと思いました。

自分たちで考えた結果、様々な認識が生まれているなら、それも大切にしたいです。自分ごととしてとらえてくれていることですので。

大阪市都島区の全5中学校で実施したWeb交流

インタビューの中で、椎木さんは何度か「自分ごと」という言葉を使っていました。

そこには、白黒つけるだけが正解ではないという椎木さんの思いがあります。

たしかに一つの課題に対しても、「他人ごと」から「自分ごと」に視点が変わるだけで、新しい考え方やアイデアを発見することができるかもしれません。

椎木さん自身がやりたいこと

Colorbathの取り組みとして

ここまでは椎木さんのCCOという視点から、Colorbath現状を話していただきました。

では椎木さん自身は今後、個人としてどんな活動に力を入れたいと考えているのでしょうか。

椎木:

山口県の教育をより良くしていきたいですね。

これまで、地元の出逢いに助けられて、今があります。なので、今まで私を助けてくれた人、成長させてくれた人と一緒になって山口に恩返ししたいと思っています。

そして、EDU-Portという文部科学省のプロジェクトとして、マラウイと山口県をつなげられることになりました。これは、私がやりたいことを最大限に表現できるチャンスだと思っています。

でもこれはきっかけにすぎないとも思います。山口県の教育をより充実させていくためのステップにつなげたいです。

山口県周南市の富田中学校で実施しているEDU-Port

椎木さん自身の人生として

椎木さんはColorbathのCCOとして、「メンバーが自然体でいられる存在」を理想としています。ではプライベートではどんな理想があるのでしょう。

椎木:

結婚するときに母に言われたことがあります。

今を100とすると、結婚すれば仕事と家庭で50:50、母になれば育児が増えて30:30:30というふうになると。

しかし、それはそれぞれの割合がマイナスになったんじゃなくて、それぞれが相乗効果で100以上の結果を出すこともできるということです。

子どもを通して教育の見方が変わるように、自分の中で影響しあうことができるようになる。これは特権だと言われました。これを体現できる人になりたいですね。

マイナスのように思えることも、見方次第では特権になる。

決断すること、それに納得をすること。これらはすべて自分次第だということでしょうか。

椎木さんの根本には「目の前の幸せに気づくこと」がキーワードになっているのかもしれません。

次回に向けて

今回は主に、椎木さんのCCOとしての視点や、いち個人としての視点からColorbathの今後を考えました。

ではもう一人のコアメンバー、CEOの吉川さんはどのように考えているのでしょうか。

次回は吉川さんの視点からColorbathの今後に迫っていきます。