コーヒーにとっての年度はじまりとなる10月、Colorbathでは3回にわけて、「ネパールコーヒー」をテーマにした学びのプログラムを開催しました。
“大人の探究学習”と名づけた通り、世代や立場をこえて、ネパールコーヒーを素材にさまざまな学びを楽しむ時間となりました。
その様子をレポートします。
第1回:無限に広がるコーヒーの楽しみ方の可能性にふれる
第1回は、「そもそもコーヒーとは何か」をテーマに実施。
プロジェクトマネージャーの那波多目から、
・コーヒーが飲まれるようになるまでの歴史
・ネパールがなぜコーヒー生産に適しているのか
・苗からコーヒーがなるまでのプロセス
を紹介しました。
参加者から好評だったのは、最後に紹介した「コーヒーの楽しみ方」。
コーヒーの”美味しさ”を左右する代表的な条件である「粉とお湯の黄金比」「温度」「挽目」「お湯を注ぐ回数」について解説しながら、それぞれのスタイルで味わいを探求することの楽しさを強調しました。
たとえば、
「朝はスッキリ目のものがいい」
「チョコレートと食べるならこの味」
「普段は挑戦しない浅めの焙煎のものに挑戦したい」
「コーヒーのストーリーとともにちょっと特別な時間を過ごしたい」など、
そのときの自分の楽しみ方にあわせた研究は無限大です。
後半は、実際に参加者の方のコーヒーの楽しみ方についてお互いに話し合い、ふだんは何気なく味わっているコーヒーを通して自己理解を深めるような、新鮮な時間になりました。
第2回:ブランドづくりの裏側は、実はとても身近!
第2回は、ネパールコーヒーブランド「Himalayan Luxury Beans」のブランドロゴも手がけた、デザイナーの新井孝徳さんをお招きし、「コーヒー×デザイン」について体感するワークショップをおこないました。
コーヒーの花をモチーフに、高級感にもこだわってつくりあげた「Himalayan Luxury Beans(以下HLB)」のロゴ。
Colorbathメンバーからのヒアリング、無数の手書きラフ案など、新井さんのお仕事の様子にふれることで、ふだんの生活にも役立ちそうな考え方について学ぶことができました。
とくに印象的だったのは、新井さんがColorbathメンバーの声を幅広く集めながらも、ブランドのコアなメッセージを忘れないようにリマインドしたり、モチーフや色合いをできるだけシンプルなものに落とし込もうとする姿。
最終案まで絞られてくると、自然とメンバーも、自分の好き嫌いではなく、この商品を通してどんな印象を持ってほしいか?という客観的な視点が身についています。
デザインというプロセスもまた、プロジェクトを推進していくにあたり欠かせないものなのだということがわかりました。
後半は、「自分」をテーマにしたロゴづくりに参加者のみなさんと一緒に取り組みました。
オンラインイベントで黙々と作業する時間をつくる、というのは私たちにとっても挑戦でしたが、結果的に、「時間を忘れて集中できた!」「ふだんは使わない脳を使うことができた!」など、好評の声を多くいただきました。
第3回:ブレンドコーヒーの魅力を深掘り!
第3回は、開催前に、Himalayan Luxury Beansが12月から販売を開始する予定のブレンドコーヒーの試案2種類を参加者の方々のご自宅に配送。
これまでは、ネパールコーヒー100%を使用した「シングルオリジン」のみを扱ってきたHLBですが、今度は、他の国のコーヒーを組み合わせた「ブレンド」に挑戦します。
ネパールコーヒーの焙煎を担当してくださっている株式会社坂ノ途中の舛田さんによると、ブレンドコーヒーには、
・より安価に販売することができる
・年間を通して味わいの質が安定しやすい
などの商業的なメリットだけではなく、
・組み合わせを工夫することで、伝えたいメッセージがより伝えやすくなる
・購入する人にとっては安心感があり、より珍しいコーヒーにふれるきっかけになる
などのメリットがあるとのこと。
そのことも念頭に、まずは情報なしの状態で、味わいの違いを参加者同士で言語化し合いました。
「こちらの方が朝、飲みやすい」
「個性があると感じる」
などのコメントが寄せられる中、今度は舛田さんから、それぞれのブレンドの組み合わせ内容や意識したことを話してもらいました。
「美味しい」という感覚に正解はないものの、実際にブレンドした人の話をききながら味わうと、新たな発見や、ネパールコーヒーだからこその味わいにもどんどん気づいていく。対話を重ねていく、あっという間の1時間半になりました。
参加者の方の声ももとに味わいをアップデートし、12月中旬には、いよいよブレンドコーヒーが販売されます。
みなさんもお楽しみに!
編集後記
今回のイベント実施を通して、改めてColorbathのコーヒープロジェクトが目指している方向性をたしかめられた気がします。
それは、美味しいコーヒーを飲む、そしてその産地のストーリーや、関わる人々の仕事の様子にふれることで、より多くの人々の世界のみえかたを広げたい、という想い。
今回、3回ともまったく違う色合いのイベントを参加者の方々と楽しんだことで、コーヒーという「学びの素材」のおもしろさを、一緒に体感することができました。
これからも、プロジェクトの進捗やメンバーの学びを積極的に開示し、学びのプログラムとしてみなさんに届けていきたいと思います。