日本に来て働くということ 〜多文化共生の未来を考える〜

8月30日(水)に、大阪の介護施設で働いているビクラムさんをお招きして、「日本で働く」をテーマに座談会を行いました。

お互いを知る

はじめに、参加者の方も含めて自己紹介の時間をとりました。
今回も、北海道から福岡までと、全国各地からのご参加がありました。

Colorbathではイベントをする際に、参加者の方ともフラットにお話ができるよう、自己紹介の時間を取ることが多くあります。
イベントでは、私たちが知っている情報、体験したことをお話する、というのももちろんなのですが、参加者の方の興味をお聞きする中で、その想いにふれ、新しいものがその場から生まれていく、ということを大切にしています。

ゲストスピーカー:ビクラムさん

ビクラムさんは、ネパールで日本語と介護について学び、その後、特定技能「介護」の資格試験に合格。日本の就職先との面接でも内定をもらい、いざ来日、というタイミングで、新型コロナウイルスにより渡航が延期になってしまいました。

そこから2年間は、オンラインで日本語会話の練習をしながら渡航制限解除のタイミングを待ち続け、2022年4月にようやく来日が叶いました。

ビクラムさんは、

「もう日本に行くことはできないのではないかと思っていたので、とにかく日本に来れたことがまずは嬉しかった。」

と話していました。

ビクラムさんは、現在、大阪にある介護施設で仕事をしています。
職場には、同様にネパール人をはじめ、アジア各国のスタッフが一緒に働いているとのことでした。

日本で働くことの大変さ、やりがい

ビクラムさんのお話によると、最初の頃は、日本語の難しさに苦戦したり、ルールや文化の違いに驚いたりしたということでした。

介護施設の利用者さんの中には、なまりが強い方もおられるようで、その日本語を聞き取るのにはかなり苦戦したといいます。
ときには、一度で聞き取れないと利用者の方から怒られてしまうこともあるということでした。

また、生活の中でも、ネパールでは大した問題にならず、謝れば済んだような出来事が、日本では大きな問題となってしまい驚いたこともあったようです。

一方で、ビクラムさんが話していた中で印象的だったのは、チームワークを持って働くことや報連相の大切さなど、私たち日本人も、社会に出てはじめの頃には難しさを感じたり、悩んだりすることにも大変さを感じていたことでした。

それでもやりがいを感じる部分は、「利用者さんのためにお世話をすることで喜んでもらえること」ということで、まだまだ3世代で暮らす家庭が多いネパールでは、普段からお年寄りの方と接し、手助けするという場面が多くあることも、日本の介護現場でのやりがいに繋がっているようでした。

ともに、未来に向けて

近年、日本で暮らす外国人の方の人数は増え続けています。
今後の日本の未来をつくっていく上では、彼らと互いに理解し、ともに歩んでいくことが必要不可欠になります。

外国人と日本人という捉え方ではなく、同じ日本に、同じ地域に暮らす仲間として。

少しでもお互いの理解や対話が深まるきっかけを、作り続けていきます。