
2025年の2月と3月に、ネパールでのフィールドワークを社会人編と高校生編の2回に分けて開催しました。コロナもすっかり明けて、世界の何処にだってまた飛び立つことのできる今。どうしてColorbathはネパールに行き続けるのでしょうか…?Colorbathフィールドワークの魅力を、社会人の皆さんと一緒に渡航した私の視点でお届けします。
◼︎ はじめに 〜これがColorbath流フィールドワーク!〜

本題に入る前に、そもそもフィールドワークとはなんぞやというところから話をはじめましょう。Google先生に言葉の意味を聞いてみると、研究や調査の対象となる現場(=フィールド)に実際に足を運び、観察・インタビュー・記録などを通じて情報を得る活動の事だと教えてくれます。つまりは、教室や机の上ではなく「現場に行って、自分の目で見て、聞いて、感じて学ぶ」ことこそがフィールドワークなのです。
そんなフィールドワークをColorbathは兼ねてより自己探究の場として設けているのですが、一つ他の団体がやっていないであろう大きな特徴があります。それは、公募時にスケジュールは骨組みだけであえてほぼ埋めていないということ。笑
そう、つまりフィールドワークの内容は参加者さん次第!そのため、渡航前には説明会だけでなく参加希望の方の個別面談や、参加者さん同士の横の繋がりを作るための事前ワークショップなども複数回実施しています。その際にみんなの強みや、チャレンジしてみたいことをそれぞれヒアリングして、スケジュールに落とし込んでいくのです。

自分たちで渡航期間にやることを考えて決めるからこそ、その分、学びを感じることも大きくなりますよね。このように、Colorbathはみなさんの「ちいさな一歩」の機会を積極的に創り出し、その取り組みを全力で応援したいと思っています。そして、私たちスタッフもその時その瞬間そのメンバーでしか生まれない一度きりの化学反応であるフィールドワークを毎年楽しみにしているのです。
◼︎ なぜ毎年ネパールにいくの??
ネパールは人々がとても温かく、文化も面白くて素晴らしい国。もちろん、その魅力を知ってもらいたくて海を越えています。ですがネパールでなくてはならない絶対的な理由、それはColorbath代表の吉川さんをはじめ、ネパールには私や他のスタッフも古くからの繋がりがあるから。
これまでに幾多のプロジェクトに挑戦し続け、多くの方が関わり、その輪が次第に広がって来ました。そうして今ではどこにも負けない強い絆がネパールにはあります。それはきっとColorbathのもう一つのフィールドであるマラウイも同じ。Colorbathには現地にたくさんの愛すべき仲間たちがいます。そして、その仲間たちの力もあって、フィールドワーク参加者の「やってみたい」を形にしていけるのです。
この繋がりの強みによって多少難しそうに思えるリクエストであったとしても、私たちのフィールドワークでならほぼ100%実現できるのではないかと自負しています。笑
毎年多くの方がColorbathと共にネパールを訪れていますが、ほとんどの方がネパールの魅力にはまり、また個人でも戻ってしまうくらいリピーターが続出なのは、ツアーなどの旅行では行けないような場所や、体験があってこそだと思うのです。
◼︎ データや写真からは見えない「リアル」
人が世界を訪れる多くの理由は、ガイドブックに載っている世界遺産やSNSなどどこかで見聞きしたことのある情報を、実際に自分で体験してみたいからですよね。言うなればそれは答え合わせと同じこと。事前に知っているけれど、自身で確認をしてみたくなるのだから不思議なものです。
ネパールは美しいヒマラヤのある国として認知されてますが、世界からみると開発途上国。みなさんもおそらくどこかで写真などを目にされていたりしてネパール=貧困の印象があるのではないでしょうか。昨今は日本にネパールの方が多く出稼ぎにも来られてもいますよね。ですが、そのイメージとは裏腹に、ネパールを訪れた人、特に農村部でのホームステイを体験した人はみな「日本には無い豊かさがそこにはある」と口を揃えます。実際に訪れた人にしか知ることのできないリアルがそこには存在しているのです。だからこそ、私たちは現場に行って自分で体感してみることをとても大切にしています。
◼︎ 対話の中から生まれる自身の変化や学び
写真や数字には現れない生活や、現地の人々の生きた声。一歩を踏み出した人しか知ることのできないそのリアルな瞬間は、今回の2月のネパール滞在にもありました。それはトゥロポカラ村でのホームステイ中の出来事。村の長老がポツリと口にした「この村が貧しいのはネパールの政府のせいなのか、それとも私たちのせいなのか。どうすればこの村は豊かになるのだろうか。」という私たち日本人への問いでした。

彼からしたらただ純粋で素朴な疑問であり、何気ない一言だったのかもしれません。ですが、私たちの頭にはそのフレーズが消えることのない衝撃となり残りました。前章で述べた、日本人からみて心豊かだと思える村の人たちも、悩みや葛藤そして疑問を抱えている…。そのような事実と対面した時にはどうしても胸がざわつくものですが、私たちColorbathはそういった渡航の中での日々の心の動きも大切にしていて、むしろチャンスと捉えています。滞在中や帰国後も振り返りの機会を設け、それぞれが感じたワクワクやモヤモヤをみんなで共有し、他の参加者さんが感じたことや視点も取り入れることで、より思考を深掘りし成長していけると思うのです。
人との関わりや他者との対話の中から生まれる新たな選択肢、そして学び。感動した瞬間も、感じた無力さも、信頼できる仲間たちに共有をすれば答えは一つではなく、さらに世界は広がります。
◼︎これからのフィールドワーク、ちいさな一歩
長いようで短く、深く濃い1週間のColorbathならではのフィールドワーク。それでも、どんな印象的な旅も、その心の機微は日常に戻ると悲しくも忘れてしまいがちです。そこで、2025年度では初めて帰国後にオンラインでの報告会も企画し、参加者のみなさんたちに自身の旅の振り返りをしてもらいました。渡航メンバーのご家族であったり、過去のフィールドワークメンバーも参加をしてくれて大盛り上がりに終わった報告会。オープンな場での座談会を設けることで当時の旅の想いがより心に定着したのではないかなと思います。

このように今後も私たちColorbathはフィールドワークで繋がったみなさんとの関わりを、その場限りでなくさらに広げていきたいなと思っています。社会を変えるのは一人の100歩よりも100人の一歩。もちろんそれは世界だけでなく、日本での一歩だってかまいません。まずは自分のコンフォートゾーンの外に飛び出して、多くの挑戦をし、感じて味わい尽くして、人と対話をすること。そうすればきっと自ずとまだ見ぬ世界が広がっていくと思うのです☺︎そうした機会をこれからもColorbathでは積極的に想像していきたいと考えています。
さて、恒例となりつつあるColorbath的フィールドワーク。次回は夏にも開催予定…?!
興味を持たれた皆さんはぜひ情報公開を楽しみにチェックしてくださいね。
(Colorbathスタッフ:二ノ宮)
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▼ネパールフィールドワーク2025(社会人編)の様子については、こちらをチェック!