
2025年2月と3月。
今年もネパールでのフィールドワークを開催しました。
2月は社会人のみなさんと、3月は高校生のみなさんと。
それぞれの仲間たちと一緒に、カトマンズ、そしてトゥロポカラ村へ。
ホームステイをしながら、濃厚な1週間を過ごしてきました。
今回は、どんなメンバーたちが、どんな旅をしたのか。
そして帯同メンバーとして参加した私自身が、旅の中で感じたことを、ご紹介させてください。
◼︎Colorbathのフィールドワークのかたち
今回のテーマは、「セカイがかわるちいさな一歩」。
参加者一人ひとりの『やってみたい』『挑戦してみたい』という想いを、
あと押しして、一歩踏み出してもらう。
そんな、小さな一歩を積み重ねて、自分のセカイを広げていこうという想いが込められています。
ただ「新しい文化に触れる」だけの旅ではありません。
「今までの自分なら不安だったけれど、本当はこうしたい!」
そんな心の奥の気持ちを、ネパールの文化にふれながら少しずつ開示していく。
そんなColorbathらしいフィールドワークのカタチです。
フィールドワーク(以下FW)が始まる前には、オンラインで事前ワークショップも行いました。
みんなで顔を合わせながら、「やってみたいこと」「参加する目的」「実現するためにできること」を、わいわい話し合います。
この時間があるから、現地に到着したときも、自然と打ち解けられる。
参加者同士も、私たちColorbathスタッフとも、すぐに温かいつながりが生まれました。
では、みんなの「やってみたいこと」とは、どんなことだったのでしょうか?
◼︎「自分の殻を一つ破れたような感覚」

高校生FWでは、
「合気道を子どもたちに披露してみたい!」
という学生がいました。
ただ、ただ披露するだけでは伝わりにくいかも…
どうすればもっと子どもたちに楽しんでもらえるだろう?と、みんなでアイデアを出し合った結果──
「ヒーローショーにしてみよう!」ということに。
いよいよ、小学校訪問の当日。
彼は、小学校へ向かう前、少しそわそわしている様子でした。
「大丈夫かな、でもやってみたらなんとかなるはず。」
そんな小さな葛藤を抱えながらも、ぎりぎりまで子どもたちのために打ち合わせをしていました。
ほとんどリハーサルなしのぶっつけ本番。
緊張の中、ヒーローになりきって堂々と合気道を披露してくれた彼に、
子どもたちも大歓声で応えてくれました。
普段は、人前で目立ったり、笑いを取ったりするタイプではなかった彼。
「自分の殻をひとつ破れた気がする」
そんな言葉を後から聞いたとき、私自身もちょっと驚きました。
同時に、
子どもたちに喜んでもらいたい一心で、勇気を出して踏み出してくれた彼がとてもたくましく見えました。
その一歩が、きっとこれから先も彼の支えになっていくんだろうなと感じました。
◼︎「この国に対して、自分に何ができるのか」

社会人FWでは、
トゥロポカラ村(ネパールでも秘境と呼ばれている山奥の村)でホームステイをしました。
ある夜、村人たちと焚き火を囲みながら、
歌ったり踊ったり、楽しい時間を過ごしていたときのこと。
ふと、70代くらいの村の男性から投げかけられた問いかけに、場の空気がすっと変わりました。
「私たちが貧しいのは、政府の政策のせいなのか。
それとも、私たち自身の努力不足なのか。」
重く、切実な問いに、みんな一瞬、言葉を失いました。
同時に、気づかされたことがありました。
「村の人たちは、のんびりと彼らの幸せを感じながら暮らしている」
そんな勝手なイメージを、どこかで抱いていた自分たちに。
現実は、そんな単純なものではない。
政治、宗教、歴史──さまざまな要素が絡み合う中で、村の人たちは悩み、葛藤しながら生きている。
「私たちに、何ができるのか。」
正解はすぐには出ないけれど、
現地に行って、話を聞いて、一緒に時間を重ねていく中で、
小さな行動をコツコツと積み重ねていく。
みんなも、言葉を選びながら、でも素直に自分の気持ちを伝えてくれました。
社会課題は、先進国でも途上国でも、本質はそう変わらないのかもしれない。
少し前の日本で起きていたことが、今この場所で起きている。
だからこそ、未来はきっと変えられる。
一緒に考えて、一緒に動いていけば、きっと。
「自分たちが何かを与える」のではなく、
「自分たちが学ばせてもらう」ことの方がずっと多い。
そんなことを、心から実感した1週間でした。
◼︎「あなたの優しさが、世界を幸せにしていく」

高校生フィールドワークでは、帰国前に参加してくれた高校生が、私としびー(Colorbathスタッフ)にお手紙を書いてくれました。
みんなを見送ったあと、「いつ読む?今?でも今読んだら泣いちゃうよね。」なんて言いながら、結局すぐに手紙を開き、二人で号泣しながら何度も読み返しました。
わたしもしびーも、お互いに何度も「ありがとう」を言い合いながら、高校生のみんながこんなにも素直に想いを届けてくれたことに、心から感謝しました。
そして、それを自然にできる彼らの姿に、人としての深い愛情を感じ、ただただ尊敬の気持ちでいっぱいになりました。
本当に素晴らしい子たちと一緒にネパールで旅ができたことを、心から嬉しく思います。
特に印象に残っているのは、「自分にもっと自信を持ちたい」と話していたある学生が、手紙の中で伝えてくれた言葉です。
「あなたのその優しさが、周りの人、そして世界の人を幸せにしてくれるでしょう」
彼がこの言葉を贈ってくれたとき、胸がいっぱいになりました。
高校生FWの帯同では、私はリードをしながらも、一参加者として、みんなと友達のような目線でコミュニケーションを取ることを意識していました。
そんな私の姿を見ていた彼は、「いつも明るく笑顔でいるけれど、何か言いたいことを我慢しているように見える。無理に我慢する必要はないよ」と伝えてくれました。
核心をつくメッセージに、驚きつつも、まっすぐな優しさで伝えてくれたことが本当に嬉しかったです。
彼は周りの人をよく見ていて、そっと寄り添った言葉をかけることができる、とても優しい子だと感じました。
私自身、学生たちからたくさんの気づきや学びをもらうことができて、一緒に成長しながら過ごした、かけがえのない1週間になりました。
◼︎素直に、ありのままでいる大切さ

長くなりましたが、2月と3月のFWを通じて、
「自分のありのままでいることが大切」ということを、何よりも強く体感しました。
それは、ネパールの現地メンバーや参加者のみんな、そしてColorbathのスタッフが、
誰よりも素直に想いを伝え、周りの人々の想いも受け入れてくれる、
本当に素敵な人たちばかりだったからです。
その姿勢に、私自身もたくさんの学びをもらいました。
ColorbathのFWは、「自分の人生は自分で選択できる」ということ、
そして「ありのままの自分で生きる」ことを大切にしている。
そんな人たちが増えていけば、きっとみんなの人生はもっと楽しくなるはずだし、
そんな人たちの「やってみたい」を後押ししたいという想いがあります。
さまざまな人たちと出会い、セカイを一緒に広げていこう。
これからもどんな素晴らしい人たちと楽しいフィールドワークを過ごせるのか楽しみにしています。
(Colorbathスタッフ:花村)
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▼ネパールフィールドワーク2025(高校生編)の様子については、こちらをチェック!