2022年1月19日、慶應義塾大学総合政策学部太田深月さんとColorbathスタッフ・椎木睦美が対談をおこないました。
テーマは、「国際協力と主体性」
ネパールとマラウイで、衛生環境の向上や雇用創出などのプロジェクトに取り組むColorbathですが、活動していく中では、「国際協力」というキーワードや、そのみられ方に違和感をいだくこともあります。

「どうすれば、日本にいる私たちと現地にいる人たちの強みや主体性を活かしていけるのだろう」という太田さんからの問いは、私たちも日々向き合い、取り組んできたものでした。

それぞれの専門性やこれまで歩んできた人生が交錯し、とても意味のある対談の時間になったと感じています。

今回の記事は、その対談を文字起こし、まとめたものです。
みなさんともぜひ、「問い」と「一歩踏みだす勇気」を共有したいなと思います。

「パターン・ランゲージ」とは

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太田
慶應義塾大学総合政策学部の4年生、太田深月(おおた・みづき)と申します。
私は大学の井庭崇研究室というところで、「パターン・ランゲージ」というものを研究しています。
ある分野において高い成果を生み出している人が持っている暗黙的な実践のコツや経験則を言語化し、その本質を明らかにするというのが主な内容です。
また、言語化したものをカード化し、ワークショップを実施するといった活動もしています。
現在は、フィリピンで貧困家庭に生まれながらも、自分の力で自立して仕事を得ている若者を対象として研究中です。
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椎木
フィリピンの若者にしているインタビューというのは、どんなパターン・ランゲージがフィットするかを見極めるためなんですか?
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太田
いえ。フィリピンの若者むけには、新しいパターンランゲージを作り直してますね。
また、私は修士課程に進む予定で、そこでは国際協力の現場で住民の主体性を引き出す関わり方について研究したいと考えています。をつくろうと思っています。

私自身、高校生の頃から国際協力に興味があって、大学1年生の春休みにはガーナで1ヶ月を過ごしました。すごく素敵な経験だった一方で、ボランティアの人に物をもらったり、誰かに支援してもらうことが当たり前の感覚になっている場面にも出会って。
そこに住む人の主体性を奪わないためにはどうすればいいのだろう、と関心を持つようになりました。

いまは、実際に現場で活動されている方にヒアリングをしたいなと思っていて、研究室の先輩から紹介していただいた椎木さんに、お声がけしたという形です。
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椎木
めちゃくちゃ面白い研究ですね。 もちろん、これは国際協力でも役立つけれど、人と関わりながら生きていく、一緒に連携して活動するときに、お互いの意見を認め合いつつ主体的に動いていけるかというところに本質がある気もします。
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太田
私も、研究室が国際協力を専門に扱っているわけではないというものがあって、例えば学校や家族など、どうしても権力構造が生まれてしまう関係性の中で、立場を超えて共に問題を解決していく時の普遍性について研究できたら素晴らしいなと思っています。
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椎木
すごく楽しみです。ぜひやってほしいなあ。
私たちColorbathも、パッと見で国際協力をメインでやっている団体って見られがちなんですけど、そうでは無いんですね。自分たちが現場で得た学びを、日本に還元していきたいというのが、大きな目的としてあるんですよ。

フィールドとしているネパール・マラウイの人たちと日本の教室をオンラインでつなげる活動(DOTS)もしているのですが、彼らの主体性や、人への思いやりから学び、一緒に成長することができて行ったらいいなと思います。
共通点が見つかって、熱くなってきました(笑)
ワークショップもぜひ、一緒にできたら嬉しいです。

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