SDGsアクションプログラムの参加者に聞いた、生の声。

前回の記事では、NTTコム エンジニアリング株式会社(以下、コムエンジ)とColorbathが共創・協働し、取り組んでいる『SDGsアクションプログラム』について、コムエンジ SDGs推進室室長の吉田さんへインタビューを通して、プログラムの概要やプログラムを進めていく中でどのような変化があったのかという視点で紹介させていただきました。今回の記事では、『SDGsアクションプログラム』に実際に参加されているコムエンジの2名の社員の方に追加でインタビューをさせていただき、”参加者の生の声”をみなさまにお届けしていきたいと思います。

■原田さんのご紹介

1人目の参加者は、原田奈央さんです。原田さんは、2022年10月より『SDGsアクションプログラム』のネパールに特化したチームの一員として、プログラムに参加されています。

原田さんがこのプログラムに参加された理由は、通常業務での視野の狭まりと社会生活の範囲の狭まりを実感していたことがきっかけとなったそうです。今回のインタビューで、『SDGsアクションプログラム』を通して得た経験や変化について語っていただいた時に、度々涙を流すほどの熱い想いを持っておられる方です。原田さんの持つ、『SDGsアクションプログラム』の参加者としての目線をこの記事を読んでくださる全ての方々にお伝えしたいと思います。

写真:コムエンジ 原田奈央さん

■原田さんの感じたプログラム参加による変化とは

原田さんは『SDGsアクションプログラム』に参加することで、社内で通常業務と『SDGsプログラム』という2つの軸を持つことで、自身が課題と認識していた通常業務での視野の狭まりと社会生活の範囲の狭まりが軽減したように感じられているとのことです。原田さんは、プログラムへの参加をきっかけに、これまでに関わっていた社員の方以外にも関わりを持つ社員の方が増えたそうで、「自分が今まで過ごしていた範囲以外にも世界がある」ということをこのプログラムを通して、強く実感されたことを伺いました。『SDGsアクションプログラム』に参加する以前の原田さんについて、「今自分が知っている範囲がすべてと思い込んでいたがために狭い世界で考え込んでいたのかもしれない。」と自身の過去を打ち明けてくださいました。そのように感じていた原田さんは、このプログラムへの参加を通じて、世界の広がりを原体験として強く認識したようです。社外での変化では、ネパールやマラウイのことがより身近に感じるようになり、製品の原産地などで目につくようになったと話してくださいました。

原田さんは、自分たちが当たり前に今生きている社会は、モノの豊かさに支えられた社会で、非常に恵まれた環境にあることをプログラムの参加中に感じるようになったそうです。また、原田さんは、現地でネパールの現状やゴミ山の上で働いている現地の方々を見て、豊かさって何だろうと感じるとともに、お互いにないものを与えあえる関係になれたらと感じ、もっとやれることがあると前向きに思うようになったと涙を流しながら伝えてくれる姿に、私はとても感銘を受けました。

■山﨑さんのご紹介

2人目の参加者は、山﨑達也さんです。山﨑さんは、2022年10月より『SDGsアクションプログラム』に参加されており、現在はマラウイに特化したチームで活動されています。山﨑さんがこのプログラムに参加された理由は、SDGs推進室室長の吉田さんから個別で連絡を受けたことがきっかけとなったそうです。山﨑さんは、社内の制度を利用して1年間海外赴任を経験されていました。その経験を聞きつけた吉田さんから直接お声をかけていただいたとか。吉田さんとも初めてお会いする状態で『SDGsアクションプログラム』の紹介を受け、それまで社会貢献を意識したことがなかった山﨑さんは、未開の地を楽しみながら経験したいと思い、参加を決意されたそうです。

写真:コムエンジ 山﨑達也さん

■山﨑さんの感じたプログラム参加による変化とは

山﨑さんは、『SDGsアクションプログラム』を通して、社内のコミュニケーションが促進されることで、社内での生活がより快適になったと教えてくださいました。具体的には、プログラムへの参加から知っている社員の方が増え、他部署への頼み事などの業務連携がしやすくなったと言います。山﨑さんの社外での変化は、原田さん同様にネパールやマラウイのことが自然と気になり、ネパールに関連した製品を生活の中で気にするようになったことです。同時に山﨑さんは、マラウイに関連した製品は生活の中で目にすることがないので、いつか日本で広く認知される日が来ると嬉しいと教えてくださいました。

また、山﨑さんは、このプロジェクトに参加する前まで、途上国に対して自身の中で創り上げたイメージが全てだと思いこんでいたことを打ち明けてくださいました。山﨑さんは、実際にマラウイに渡航してから、発展途上国と呼ばれている現地は、暗くて悲しいイメージとは全く違った世界が広がっていることに衝撃を受けたそうです。現地マラウイには、現地民の笑顔がたくさん溢れ、会う人それぞれが自分自身の人生を楽しんで生きている社会があったそうです。また、帰国後の山﨑さんは、この体験を通して、自分の生きる社会がモノに溢れる世界になっていることに気づいたと言います。山﨑さんは、こんなにモノが溢れ、恵まれた社会に生きているのに、ストレスを溜め込む人々を見て、この社会が本当の幸福なのかについて、よく考えるようになったそうです。

山﨑さんは、「足るを知る」ことの重要性を理解したとお話しくださり、外部に向けても発信していきたいというふうに教えてくださいました。「足るを知る」という言葉は、自分の身の丈に相当する満足や充実を理解することの重要性を示しています。山﨑さんは、『SDGsアクションプログラム』を通して、マラウイに渡航されたことで、モノに満たされていなくても不便だとしても、人々が笑って生活している社会が世界には存在しているということに感動を覚えたと教えてくださいました。

■SDGsアクションプログラムの今後の展望

『SDGsアクションプログラム』は、これからもコムエンジと共に発展していていきます。吉田さんは、2025年度には、『SDGsアクションプログラム』で考案された新規事業をスモールスタートし、2026年度に、現地で本格的に事業を始動させたいと言います。『SDGsアクションプログラム』は、業務を通して社会貢献ができる新規事業創発プログラムであるとおっしゃってくださいました。”SDGsは魔法の言葉ではない”からこそ、私たちがこの活動を通して知り合った様々な方たちと新たな事業創発プログラムなどの取り組みが生まれ、多くの方が社会課題の解決につながる活動が広がることを期待しているとお話しくださいました。コムエンジの吉田さんは、協働しているColorbathとこの活動を通じて、ともに成長していきたいとお話ししてくださいました。Colorbathとしても、『SDGsアクションプログラム』のように新規事業を始動させたい方々と共に成長し続けられる企業でありたいと考える所存です。

〈記事執筆者:林〉