
2026年4月2日・3日・6日の3日間、兵庫県立御影高校 文理探究科の新2年生に向けて、「TRYプロジェクト」と題した授業を実施しました。今年度は「自分のセカイを広げよう!」をテーマに、ネパールとマラウイの2か国と交流し、国際的な課題に対して自分が貢献できることを考えました。
世界とつながる最初の一歩
初日は、これから3日間を共に過ごす仲間との関係づくりからスタート!
チームはくじ引きで決定。アイスブレイクに入る前に、自分がチームに貢献できそうなことや、ほかのメンバーがどのように貢献できそうかについて意見を交わし合い、お互いの強みや普段の役割に目を向けました。

その後のアイスブレイクでは、輪っかバトンパスやNASAゲームを実施しました。体を動かしながら行うゲームやチーム内での話し合いが求められるワークを通して、生徒たちはチームで考え、意見をまとめることの難しさを実感していました。
さらに、英語でのTABOOゲームや現地語のあいさつ練習も行い、午後からのネパール・マラウイの参加者との交流に向けて準備を進めました。
午後からは待ちに待ったネパール・マラウイの参加者とのオンライン交流!
各グループにはネパール・マラウイの参加者が1人ずつ加わり、自己紹介の後、「おみやげを選ぶときに何を大切にしているか」をテーマに、価値観について考えるワークを行いました。
ネパール・マラウイで話されている英語の独特な訛りに苦戦しながらも、グループ内で助け合いながらコミュニケーションを楽しんでいる姿が印象的でした。
交流を終えた生徒さんの中には、「訛りが強くて何をしゃべっているかあまり聞き取れなかった…」と悔しそうにする姿や、「現地語のあいさつをしたら喜んでくれて場が盛り上がった!」と嬉しそうに話す姿が見られました。
「伝える」に向き合った一日
2日目は、前日の価値観ワークで得た情報をもとに、ネパール・マラウイの参加者に向けた発表の準備から始まりました。
生徒さんたちは「ネパール・マラウイの人が喜ぶ日本のおみやげを考えよう!」というテーマのもと、20分間のプレゼンに向けた準備に取り組みました。
「昨日交流した〇〇さんは思い出を大切にすると言っていたから…」といったように、交流から得た情報やインターネットで得た現地の情報を参考に、どのような内容であれば興味を持ってもらえるのか、どのようにすれば魅力が相手に伝わるのかを考えながら、試行錯誤する姿が見られました。
生徒さんからは、ネパールとマラウイがともに内陸国であるという共通点に着目し、シーグラス拾いの体験やアクセサリーへの加工を提案する班や、日本の文房具のクオリティの高さに着目し、日本のデザインのフリクションボールペンを提案している班など、様々なアイデアが見られました。
午後からは2度目のマラウイとの交流。
前半はそれぞれの班で自由に交流の時間をとり、後半は生徒さんたちが考えてきたおみやげのプレゼンを実施しました。
訛りのある英語にまだ慣れない様子を見せる生徒さんもいましたが、何度も聞きなおしたり、言い換えをしたりしながらやり取りを続ける姿が見られました。思うように伝わらなくても、相手に伝えようと工夫する様子が印象的でした。
その後のプレゼンでは、作成したスライドを用いながら20分間でアイデアを紹介しました。藍染などの日本文化を前面に出した商品や、冷感Tシャツなどの日本の技術力を活かした商品など、各班が工夫を凝らした発表が行われました。
発表後は、マラウイの参加者からコメントをもらい、明日のネパールの参加者への発表に向けてブラッシュアップするための情報を集めていました。

交流を終えて教室に戻ってきた生徒さんたちは長時間の英語でのコミュニケーションに少し疲れた様子でしたが、それぞれが得た気づきや改善点を共有しながら、次の発表に向けて準備する姿が見られました。
未来を見つめ、語る時間
最終日はネパールの参加者へのプレゼンを行った後に、「私にとって国際(社会)貢献とは」をテーマに、1分間スピーチを行いました。
ネパールの参加者に対する発表では、これまでの内容を5分間に再構成し、原稿を見ずに発表するという”TRY”にも取り組みました。
ネパールの参加者から日本のおみやげとして関心を集めていたのは、コンパクトカメラ。ネパールではこのようなカメラは珍しく、思い出を形として残すことができる点が魅力的に受け取られているようでした。
そして、TRYプロジェクトの締めくくりとして、1分間スピーチを実施しました。
生徒さんたちにはテーマを直前に伝え、この3日間の経験を踏まえながら「私にとっての国際(社会)貢献とは」を自分の言葉で語ってもらいました。
ネパール・マラウイとの交流やグループでのワークを経て、自分の強みをこれからどう活かしていくのか、どのように社会に関わっていくのか。生徒さん一人ひとりの思いがこめられたスピーチは、3日間の学びや成長を振り返る大切な時間となりました。
このように、3日間のプログラムを通して、生徒さんたちは多くの学びや気づきを得ていました。最後に、生徒さんたちから寄せられた感想をいくつかご紹介します。
”自分がネパール・マラウイではこうだ!と思っていることが実際は違っていたこともあり、思い込みはよくないなと感じました。そして、言葉は国境を超えるという言葉の意味を実感することができました。ネパールの人が日本語を話してくれたら嬉しいし、逆に僕たちがネパール語を話していたらとても喜んでいたので、言葉の重要性を再確認することができました。”
”TRYプロジェクトを通じて、私は日本やネパール、マラウイのことなどを全然知らないなと感じました。また、今の私はクラス内や部活内などのせまい空間の中にいて、毎日の生活で特に困ることのないくらい限られた世界にいるんだなということがわかりました。交流では、参加者の人の多くが日本のアニメやご飯、音楽のことを知っていることが印象に残りました。”
”1分間スピーチの時間では、みんなそれぞれ違うことを語っていて、そんなことも考えているんだ!などと新しく知ることができて、みんなともっと仲良くなっていろんな話を聞きたいなと思いました。英語での会話だけではなく、クラスメイトの新しい一面や意志を知ることができたのですごく楽しかったです。英会話は授業だけでは足りないと感じたので自分からトライして伝えようとすることが大切だと思いました。”
TRYプロジェクトは、異文化理解にとどまらず、自分自身と向き合い、社会との関わり方を考える機会にもなりました。
今回の経験が、生徒たちにとって「自分のセカイを広げる」きっかけとなり、これからの探究や日常の中で活かされていくことを願っています。