【探究の問いは誰が立てる?】「探究学習を成功させる3つのポイント~大学受験につながる向上心アップ~」を開催しました!

10月1日、年内最初のDOTSセミナー「探究学習を成功させる3つのポイント~大学受験につながる向上心アップ~」を開催しました。

こちらは、Colorbathが行っている教育事業の一つである「オンライン国際交流DOTS」に関するイベントで、「DOTSセミナー」という名前でこれまでも定期的に開催をし、たくさんの教育に関心のある方々とつながりを構築してきました。

今回は、「DOTSセミナー」として、兵庫県の御影高校でDOTSのオンライン国際交流とコラボして探究の授業を主導している橋本先生からお話を伺いました。

Colorbathインターンのまっちゃんがこのイベントで印象に残ったことをリポートします。

御影高校の実践

まず御影高校で実践している探究活動について橋本先生からお話を伺いました。

私が驚いたのは、
「ネパールでつくっているコーヒー豆を日本の高校生に売るにはどうすればいいか」
という問いに高校生たちが強い関心を持って、課外の放課後にまで実験をしたことです。

熱くなって取り組める探究活動って素敵です。

探究のテーマは誰が決めるのか

橋本先生から御影高校での実践を聞いた後は、参加者同士で対話をしました。

探究のテーマ設定についての話題になると、
「”日本の高校生に”ネパールのコーヒーを売るためには」というテーマ設定にしたのは、
ネパールのコーヒーという日本の高校生から遠いものを自分ごととして捉えられるようにという意図だったと聞きました。

問いは生徒一人ひとりが設定するのがいいのか?教師が設定するのがいいのか?

そもそも問いを見つけることは難しく、
見つけるのに時間がかかる生徒もいれば見つける引き出しがない生徒もいます。

探究において問いの設定はキーポイントだが、問いだけがすべてではない。
最終的には自分で問いを見つけることを目標とし、まずは生徒が探究のプロセスを経験するために教師が設定した問いで探究を行うというやり方もあり!

・自分で問いを立てること
・探究を経験すること
どちらに重点を置くかということですね。

探究の二つの要素「問題解決」「明らかにする」

橋本先生の視点でとても面白かったのが、

「文理探究において、問題解決は本当に必要なのか?」
という視点です。

解決まではいかなくとも、提言までいけたらいいのではないか
ということです。

この視点を持つことで、自分には遠い・難しい問題にも挑戦できます。
また、結果に囚われすぎず探究の過程を重視することもできます。

もう一つ「明らかにする」は、調査研究に限らず、どのような探究でも活動の要素に取り入れることができるとも橋本先生はおっしゃいます。

たとえば、「日本の高校生にネパールのコーヒーを売るためには」という問いでは「高校生はどのくらいコーヒーを飲むんだろう?」といった具合に、現状分析の場面で、「明らかにする」という要素は入れることができるのです。

最近は大学のデータサイエンスの分野でも文理融合が流行していますね。文系的な内容でも、現状分析を言葉だけでなく数値でも表現できますし、文理融合的な探究の可能性は色々ありそうです。

これからの探究はどうなっていく?

これからの探究はどうなるのでしょうか。
「課題解決の力を身につけるため」と答えた参加者もいました。

一方で、問題探しをする人が増えたことに課題感を持っているという方も。
私は
問題を見つけて改善していくことで発展していく
問題を見つけることは当たり前に大事だ
としか考えたことがなかったので、この話は新鮮でした。

Colorbathでアフリカやネパールの人を見ていると、感覚ファーストでやっていて、何もかも早い。多くの日本人は物事の課題を見つけ、その物事を「0」と捉え、「0から1」をやろうとする。でも、今の状態を「10」とみて「10から20にするには」と考えるやり方もあっていいんじゃない?

つまり、現状を課題として切り捨てるのではなく、現状の良さも認めて付加価値をつけていく方向もあるのではないかということです。
とても面白い視点だなと思いました。
今この現状に価値を見つけること、私もやってみようと思いました。

問題ってどうやってみつける?

橋本先生によると、生徒に困っていることを聞いたときに、「明日のテスト」「効率よく勉強するために」とかそういう、それは困りごとなのか?というものが多いそう。
1人称の問題ではなくて、他の人にも役に立つような「問題」を見つけるにはどうしたらよいのだろう。

Colorbathの林さんからは、生徒の課題設定は見えている課題になりがちなのではないかという指摘も。見えてるのは氷山の一角で、どこまで深く切り込めるかが難しそう、と。

問題を見つけて取り組んでみて、取り組む中で自分が問題だと思ったのは表面的なものにすぎず、本当の問題はこれだった!という気づきでさらに深められる、なんてこともあるのではないでしょうか。

終わりに

私と、同じくインターン生のけんけんは学校での探究活動を経験したことがありませんでした。
やりたいことを探そうとする時間を学校がとってくれるのいいな!
うらやましい!
という素直な言葉がこぼれました。

今回はかなり専門的・深い話でしたが、少人数で参加者のみなさんの専門や興味に合わせて対話形式で進んでいき、自分になかった視点を得ることができました。

DOTSセミナーは毎月1回開催しています。みなさまのご参加をお待ちしています。