
3月13日、「食と栄養の未来の一歩を考える」をテーマに、マラウイ現地スタッフのフンバニさんとプロジェクトマネージャーの池邉さんによる「AINプログラム」の活動共有から、参加者の方々とも対話を深めるオンラインイベントを開催しました。
Colorbathでは、2021年度から2024年度までの3年間、味の素ファンデーションの「AINプログラム〜食と栄養の国際貢献〜」に採択され、マラウイのムジンバ県・マニャムラで「離乳食強化による妊産婦と乳幼児への栄養改善プロジェクト」を実施してきました。
マラウイは、主要熱源の9割近くを薪の燃焼に依存していることもあり、5歳未満児の47.1%が低体重での慢性的な栄養失調に陥いるという現状があります。そこで、乳幼児や妊産婦が栄養価の高い食材を安定して摂れるための仕組みづくりに3年間取り組んできました。
今回のイベントは、味の素ファンデーションさんの協力、TICAD9のパートーナー事業採択も受けての実施となり、参加者の中には現在AINプロジェクトとして活動されている他団体さんや日本栄養士会の方、マラウイに思い入れのある方など…様々な人が集う場となりました。
自分たちでさらに他地域へと広げていきたい
前半はAINプロジェクトの活動内容やその成果報告も交えながらお伝えしていきましたが、後半は参加者の方からの質疑応答から、マラウイのムジンバ県・マニャムラで実施した「離乳食強化による妊産婦と乳幼児への栄養改善プロジェクト」の活動成果や内容を、どのように他地域や他国で展開していくか、という話題へ。
すでに他国で「離乳食改善」の活動をされている団体さんからも、「栄養価の高い離乳食をどのように住民へ広げ、定着させていくか」「栄養の知識向上のためにどんな活動の工夫をしていたか」など、様々な質問が飛び交いました。
現地スタッフのフンバニさんの想いとしては、とくにマラウイの場合は家計の決定権を持っている男性をどうやって巻き込むかが重要だ、という話があがりました。妊婦さんの栄養改善には、各家庭でどのような食材を購入し、調理するかが大きく影響します。「離乳食(朝のおかゆも含む)強化」が妊産婦や乳幼児だけの栄養改善につながるのではなく、朝食として共におかゆを食べる家族にとっての栄養向上につながることを、旦那さんにも理解し、協力してもらう必要があります。
そのためにも、妊産婦検診で付き添いで来る旦那さんにも併せて栄養指導をおこなったり、これからの新たな活動案として、「スポーツ観戦×栄養教育」という企画アイデアも参加者の方々との対話で生まれました。

池邉さんとともに、この活動を現地ヘルスセンタースタッフやコミュニティリーダーと推進してきたフンバニさんからは、
「今回の3年間で確実にマニャムラ住民の栄養や離乳食改善の知識が向上した。だからこそ、今度は自分たちで他のコミュニティやヘルスセンターへと活動を広げていきたい」と最後に熱く語ってくれました。
「現地における持続性」という観点からも、現地の人たちが主導となり、活動を率先していく。日本側のわたしたちは、その状況に応じて新たなアイデアをインプットしたり、ニーズに合わせて柔軟に活動を整えていく、そんなサポートの大切さを改めて実感する機会となりました。
「援助」という言葉を英語にすると、「Help」と「Support」という意味合いが含まれます。
ときには足りなく必要としている物資を提供する「Help」ももちろん必要ですが、彼らの国は彼ら自身でなんとかできるように伴走するという「Support」の考え方もこれからの途上国との関わり合いには重要だと私は感じています。
「問題や課題」という観点から、その国の「現状」であるという視点をもって、私たちのサポートによってどんな価値創造が新たに生み出せるのか。これからもマラウイと共に、私たちも現地から学び、成長していきたいとおもいます。
Colorbathスタッフ:椎木