ネパール・マラウイの生徒と先生を日本に招聘して、グローカルプログラムを行いました。

11月9日(土)〜11月16日(土)の7日間、ネパールとマラウイより生徒と先生を日本に招聘し、
「グローカルプログラム」を実施しました。

このプログラムは万国博覧会記念基金の事業採択を受け、
ネパール、マラウイから小中学生・教員を日本へ招聘し、同世代の子どもたちによるリアルな交流を通して
、互いにグローカル(グローバル✕ローカル)な視点を学び合うプログラムです。

コロナ禍前の2019年度には、ネパールから生徒4名・先生1名を招待し、
徳島県・大阪府を活動の中心として実施しましたが、
今年度は、ネパール・マラウイとのオンライン交流が広がっている
山口県・兵庫県・大阪府を舞台に合計7名の生徒・先生を招待し、実施しました。

今回来日した生徒・先生は、みんな初めての日本滞在となります。
2名の先生以外は、初めての海外で、初めての飛行機。
ネパール・マラウイ共に内陸国という共通点があり、海をみることも初めて。そんな初めてだらけの今回の日本滞在。
事前に滞在する学校とはオンライン交流を行い、お互いが名前や顔、好きなものや特技を知った状態での直接対面となりました。

11月9日に関西空港に到着した彼らは、10日には山口県へ移動。
初めての新幹線の速さに興奮が冷めやらぬまま、あっという間に山口県の徳山へ。
周南公立大学の学生さんと一緒に、徳山動物園にも訪れました。

11日の午前中は、富田中学校へ。
初めての日本の学校訪問にちょっぴり緊張しながらも富中の先生方が温かく迎えていただき、先生による学校ツアー。
授業中の生徒さんにも挨拶しながら、3年生が行っていた保育実習に参加。
富田幼稚園の園児さんと一緒に富中3年生が作成した玩具で一緒に夢中になって遊ぶ姿や、本の読みきかせのときに、3年生が留学生に対してなんとか通訳して一緒に楽しめるようにと寄り添う姿をみて、私はとても嬉しかったです。

11日の午後から13日にかけて、留学生として菊川小学校の学校体験。
全校生徒による盛大なウェルカム集会から始まり、体育・書写・英語など実技的な授業を中心に受けながら、
学校給食や掃除、委員会活動なども含めた日本の学校教育を体験します。

昼休みは思いっきり外で遊びながらも、時間に規律ただしく集団で行動していく姿に
ネパール・マラウイの先生は驚きの連続。生徒が主体的に学び、学校運営をする仕組みに
とても興味を抱き学ぶ先生と、一方的な座学だけでない生徒中心の学び方に留学生の生徒たちもとても楽しんでいました。

来日された生徒・先生は学校体験だけでなく、実際に日本の生活にも触れてもらうため、
菊川小学校の生徒や地域の方の家庭に2泊3日のホームステイも受け入れていただきました。
はじめは言葉がうまく伝わらないことに苦戦しながら、言葉以上のコミュニケーションや愛情を互いに感じとりながら、
本当の家族のように想い合う存在になっている姿がとても印象的でした。

14日は兵庫県の御影高校へ。
2年生の英語の授業にて、All Englishで繰り広げられる即興のスピーチ練習にグループに分かれて参加しました。
提示されたお題について、その場で自分の意見をまとめ、1分間でスピーチ発表をする。
身振り手振り使いながら話す姿は、相手に自分の意見を伝えたいという想いに溢れる空間となり、
ネパール・マラウイの生徒、先生も自信たっぷり、表情豊かに御影生とのやりとりを楽しみ、
たくさんの価値観の違いと、その多様さを学んでいました。

地方部と都市部の学校体験や生活スタイルの違い。
神戸や京都観光、市教委訪問などもしながら日本の文化や歴史にもたくさんふれた7日間。
たくさんの初めてを経験しながら、日本と自国の違いに時に戸惑いながらも
日本ならではの学びをたくさん吸収して、無事に彼らは帰国することができました。

帰国するときの彼らからは、日本で出逢った人たちへの感謝の言葉と涙で溢れていました。
これからもこのグローカルで刻まれた想いを胸に、
日本と自国をつなぐ架け橋となって活躍してくれることを、私は期待しています。

このプログラムに関わってくださった多くの皆さんに、心から感謝します。
素敵な時間を、空間を、温かな想いを、本当にありがとうございました。

(レポート:Colorbathスタッフ 椎木)