文:colorbath 小川智弘(関西外国語大学3年)

第1回EILプレイベントを11/8にオンラインにて開催しました。今回のイベントでは、ゲスト講師として立命館小学校の正頭英和先生をお招きし、「これからの学校や先生の役割とは?」というテーマのもとお話いただきました。

今回は、約60名ほどの方々にご参加いただきました!

ブレークアウトセッションを活用して、参加者同士の意見交換も行い、非常に濃い2時間となりました!ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

イベントの中で議論されたことについて、一部ではありますが共有させていただきたいと思います!

ICT教育が進む中で、子どもたちにとって”学ぶ”ということはなんだろう?

現在、テクノロジーの発展によって、「知識の差」、要は、覚えているかどうか、ということについては、あまり関係がなくなってきています。その中で子供たちにとって、「知識を得る」ということよりも、「実際に体験する」ということが大事になってきます。

「知識を得る」ことだけでいうと、コンピュータを活用するスキルがあれば、膨大な知識を瞬時に引き出すことができる時代です。

そんな時代だからこそ、子どもたち自らが問いを立て、自らが解決のためにアクションする。そうすることによって子どもたちの想像力が培われ、より成長に繋がります。

テクノロジーの発達によって、社会のあり方も変わり、産業構造もかわり、それにともなって教育も変わってきています。

テクノロジーが壊したもの、それは「時間」と「距離」です。

パソコンやスマートフォンさえあれば、たいていのことが時間と距離に関係なくできます。今回のように、日本全国各地の人といつでもmtgができたりします。時間と距離の制約がなくなることで、これまでにはできなかった「体験」が可能になります。

学校の先生にとって何が必要で、どんなことをするべきなのか

これからの時代、先生にとって大事になってくることは、子どもたちと同じく「想像力」だと思っています。

様々な制約がある中で教育をしていると、それが当たり前になってしまい、その結果想像力が衰え、いざ制約がなくなったときには、存分に想像力を発揮することができません。

子どもたちがどうしたら楽しく学ぶことができるのか、子どもたちにとって今大事なことは何なのか、ということを想像する力を身につける必要があります。

「大人が変われば、子どもも変わる。」

この言葉を大切にして、学校の先生は教育を進めていく必要があります。

子どもたちのモチベーションは、すごく波があります。

大人は、この子どもたちのモチベーション、波、タイミングなどを丁寧にみて、大事にしていく必要があります。

今までの教育現場で言われてきたことの課題として感じているのは、「子どものモチベーションを大人が管理しすぎていた」ということです。

具体的な例をあげてみます。

子どもが、「カブトムシを捕まえに行きたい!」と言うと、大人はいろいろなことを考え調整し、悪気なく、「じゃあ来週行こうね」と言ったりします。大抵の大人は、「よし、じゃあいまからとりにいこう!」などと、すぐに行動しません。

しかい、実際に来週になってみると、大抵の子どもはもうカブトムシを捕まえに行くことに興味をなくしてしまい、せっかくの「体験できるチャンス」を失ってしまいます。

子どもにとっては、「今」捕まえにいきたくなったのであり、「ずっと」ではありません。その1週間で興味やモチベーションは変化していきます。

このように子どものモチベーションを管理するのではなく、これからはこのモチベーションに対して、大人が寄り添うことが大切になります。

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正頭先生からは、以上のようなお話があり、わかりやすく何度もメモを取りながら聞いていました。

正頭先生の講演のあと、ブレークアウトセッションで参加者同士でも意見交換の交流を行いました。その際、参加者の学校の先生から、「勉強に対しても、遊ぶことに対しても、子どもたちには”失敗”という概念があり、失敗しないように消極的、ときにネガティブになっている場面が多い。」という意見をがありました。体験を通して、”失敗にこそ、学びの価値がある”という考えとは裏腹に、子どもたちは失敗を避けようとしている場面も多いようです。

また、今回はなんと女子中学生の学生さんも参加いただいており、等身大でまっすぐな意見も出て、参加いただいた多くの先生方とも議論をすることができました。

全体を通して私が感じたことは、これからの先生は「教える」から「つなげる」ということに、役割がシフトしていくのかなと、そんなことを感じました。多様な意見を持つ生徒と生徒をつなげる。生徒と社会をつなげる。学びと社会をつなげる。体験と学びをつなげる。いろいろな「つなげる」があるんだと思います。今回のイベントを通して、「これからの学校や先生の役割」について、学ばせていただくことができました!

正頭先生、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!!

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