こんにちは、ライターの十文字 樹(じゅうもんじ たつき)です。

「Colorbathっていったい何をしている団体なのか?」
「何のために活動しているのか?」

そんな、私自身の疑問から始まったインタビュー企画「つむぐ、Colorbath」。

第8回となる今回は、CEOの吉川さんがどのようにColorbathのことを考え、これからを見据えているのかをお聞きしていきます。

Colorbathへの認識

Colorbathの特徴

はじめに、吉川さんが考えるColorbathの強み・弱みについてお聞きしました。

吉川:

Colorbathは「ひとの想い」を大事にしています。それぞれの人が感じている想いを大切にした上で、取り組むプロジェクトにおける課題に対して、多様な関係者と一緒に多面的に物事を捉えながら活動を展開できる、そんなことが強みだと思っています。

感覚的なことも論理的な思考もどちらも大事にしています。一方で、多様な人の想いや関わりがあり、活動内容や方向性がシンプルとは言えないので、初めて会う人に団体として理解されるまでに時間がかかってしまうこともあります。

初対面の人にもすんなりと理解されたい、という気持ちもありますが、だからといって分かりやすい活動のみをして、分かりやすい表現だけになってしまうと、Colorbathが持つ“らしさ”もなくなってしまうかもしれない。だからこそ、これまでも意識的に“ひとの想いを大事に”してきました。

まずは想いから始まって、そこから専門家の方々とのつながりや連携に広げる、というように。これは強みではある一方で、弱みでもあります。

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椎木さんはColorbathの特徴を活動の幅の広さ、人のつながりの広さにあると仰いました。

吉川さんが挙げた「想いを大事にする」というのは人のつながりを形成する根拠になっているのでしょう。

活動の拡大について

これまでは、関係者のひとの想いを大切にしてプロジェクトを実施していたということですが、今後のColorbathの活動範囲を広げていくことについては、どのように考えているのでしょうか。

吉川:

プロジェクトが成長していくと、つまり事業が大きくなっていくと、それに応じていろんな方々の協力が必要になります。

その結果、コミュニティとしてのColorbathも自然と広がっていくと考えています。「活動するプロジェクト領域が広がる=いいこと」と単純に直結するとは思っていません。

「それぞれのプロジェクトの事業化にこだわる」からこそ、新たな領域へと範囲を広げないほうがいいこともあります。

当面の戦略としては、これまでに立ち上げてきたプロジェクトを成長させていくことを考えていて、活動領域を広げるということはあまり考えていません。

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最初のインタビューで吉川さんが仰っていた、活動の中心を三か国に留めておく理由がよく分かりました。想いを大切にしているからこそ、広げない。

必要性が生じたら自然と広がるもの。

想いが大事だからこそ、それを補う専門性が必要になってきているのでしょう。

吉川さんのこだわり

ふたつのこだわり

吉川さんはこれまでの話からも、こだわりをもって活動をしているように感じます。

そんな中、活動の拡大に関する話題の中で「事業化へのこだわり」と仰いました。 「事業化へのこだわり」については考えているのでしょうか。

吉川:

Colorbathの「コトづくり」について、一歩ずつ活動を積み上げていきたいと思っています。

その点で、想いから始まったそれぞれの活動を続けていくために「事業化」にこだわっています。

「学校に行けない子に勉強を教える」ということは、短期的には個人でもがんばればできますが、それでは長く続けることや、多くの子どもに教えることは難しくなります。

事業にすることで、続けられることがあると思っています。

ガネッシュさんの想いから始まったネパールの事業の数々

「事業化にこだわる」というのは、活動の継続性を考えてのことでした。

その結果、活動についてもむやみに範囲を広げることはないと考えているようです。 ほかにどんなこだわりがあるのでしょう。

吉川:

私は代表ではありますが、あくまでも一人の実践者であろうと思っています。

代表だからといって、情報発信や組織内部のマネジメントに徹するつもりはありません。

実践者として現場で活動することを通じて、いま考えていることや、未来に向けて進んでいこうとする方向性を伝えていきたいと思っています。

たしかに吉川さんは、ネパールで自分自身が経験したことから、現在までも続く活動を始めました。

そしてWeb交流(現:DOTS)では、吉川さん自身が学校の先生とコミュニケーションをとって実施した過去について話してくださいました。

吉川さんはあくまでプレイヤーであり、その活動を見て現在関わっている人たちが集まってきたのでしょう。

昨年は新規事業「Educators Innovation Lab」を自ら立ち上げた

人との関係について

Colorbathでの活動に限らず、吉川さんは活動を通して人とのつながりを広げることが多くあるとのことでした。

人間関係についてどのように考えているのでしょうか。

吉川:

小さい頃を振り返ってみると、転校が多かったこともあって、同じ人と長く付き合うことが多くありませんでした。幼馴染もいない感じです。

ただ、おかげでいろんな人と会うことができたので、結果として、人と出会って世界が広がる楽しさを知りました。

その後、留学や海外での仕事もしてきましたが、より一層その大切さを感じています。なので、ひとつのところにとどまらない、ということはメリットもあると思っています。

そういう意味でも、自身の生活を変えることは、出会い関わる人も増えて、みえる世界がひろがったり、社会に貢献する方法が増えたりすることにもつながると考えています。

人と出会うことを大切にしてきた吉川さんの人生は、第5回でふれた

吉川さんは、ご自身の人との関わり方について椎木さんと比較していました。

「椎木さんは長い絆を深く大事にできる人。私は、どちらかと言うと人のつながりを広げていくことが得意。チームとしてバランスがうまく取れているのかもしれないです。」と。

このバランスの中で、現在も吉川さんは実践派として活動をしているのでしょう。

吉川さんのまなざし

最後に私の疑問に答えていただきました。Colorbathの終わりについて。

Colorbathはこれまで様々な活動をしていることが分かりました。 ではそのすべてが完了することについてどのように考えているのでしょうか。

吉川:

特定の問題を無くすような目標があれば、活動が終わることはあると思います。

しかし、Colorbathは一歩踏み出して未来をつくる活動を応援することが根幹にあります。なので、そこに終わりはないと思っています。

一方で、団体としての発展的解消はあるかもしれませんね。

そもそも新しい課題にシフトしたほうがいいと思ったとき、あるいは自分たち自身が変化できなくなったとき、そういうときには活動をやめることはあるかもしれませんね。

やはりプロジェクト一つ一つには目標があるとしても、その根幹にある「想いをカタチに」が揺らぐことはないと考えているようです。

吉川さん個人の活動についても「先頭に立って切り拓いていく」と言うように、これからも未来をつくるために吉川さんの想いが途切れることはないのでしょう。

次回に向けて

ここまでのインタビューを通し、吉川さん・椎木さんがどんな過去があって、どのようにColorbathの活動を捉えていて、そこにはどんな想いがあるのかが、わかってきました。

第7回・8回では、吉川さんと椎木さんのそれぞれに、これからのColorbathについて個別に聞いてきました。

次回以降はお二人から同時に、これからのColorbathについて聞いていきます。